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デイトレードのメリット・デメリット


バブル崩壊から約十年間の下落相場による長期的な株式投資の有益性に疑問をもった個人投資家が売買手数料の安いオンラインでの取引が一般化してきたこともともなって、デイトレードなどの短期売買に傾倒してきた。

先に米国でもこのような投資文化の変革期では、熱狂的にデイトレーダーが増加したという経緯がある。しかし、その変革期から現在はデイトレーダーの人口は減少傾向にあると言われている。それは、根本的な株式市場でのリスクやデイトレード特有のリスクを投資家自身が良く理解せずに実践したために、長期的な資産運用のひとつの手段として有益に利用することができなかったからと言えるのだ。

投資家教育や金融に関する教育の先進国でもある米国であってもデイトレードが社会問題化する事件にまで発展したことを振り返ると、そのような文化が未成熟な日本で熱狂的に個人投資家が増加し、安易にデイトレードを実践する者が増加することについては、決して喜ばしいことではないのかもしれない。

デイトレードをこれから実践する方はもちろん、既に実践されている方も再度デイトレードのメリットやデメリットを再確認する必要があると思われる。

デイトレードは、一日の中で売買を完結するため、ポジション保有期間の長い長期投資であるような上下の値幅変動のリスクを回避することが可能となる。これによって、リスクを軽減しながら超過リターンを実現できるため運用効率を高めるなど、コントロールしやすいというメリットがあると言える。

また、日本市場が米国市場の動向に左右されることによって前日の終値に対して寄付きが高くなる、安くなるなどの変動リスクを回避できる。

そして、長期投資のように資金が長期間拘束されることなく、比較的、小額の資金を効率よくこまめに回転させ運用できる手段とも言える。

そのような反面、トレード単位では、リターンに対する手数料の依存度が高くなる可能性もあり、日本市場の株価の最低呼び値は、株価帯によって変化するため、トレードあたりのリスク、リターンも大幅に変化する。銘柄によっては思わぬリスクを取ってしまいかねないのだ。

よって、デイトレードでは安定的で計画的なパフォーマンスを得るためには、常に銘柄選択の基準を元に実際に売買する銘柄を変えていかなければならないなど、銘柄選択の部分だけでも複雑な作業を要するのだ。

このようにデイトレードでは、取引環境の変化による自由度は高まり、それをメリットとして最大限に利用することが可能なトレードスタイルだが、マーケットの動向や個別銘柄に依存度の高い長期投資とは異なり、心理戦の回避も含め、自己のスキル依存型のトレードとなることに注意が必要だ。

それはつまり、長期投資よりも知識やそれを元にしたスキルが求められるということになり、プロの運用者としてのスキルを身に着けなければならず、実際には個人投資家にとって非常にハードルの高いトレードスタイルとも言える。

そして、デイトレードでは、一日やトレードごとの目先の利益額に目を奪われることなく、長期間、そのスタイルで安定的に運用するということを前提にトレードスタイルを確立しなければ意味が無ため、運用者としてのスキルの無さが最大のデメリットとなるということを覚えておいて頂きたい。

日経マネー 掲載記事

NPO法人 日本デイトレーダー協会
理事長 砂田 洋平


 
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